踊り子の魔女 第三十一話:ミリってすごい
「先生。私、イーリヤに着いたら手紙を出したいです。でも、どうやって届ければいいのか分かりません。」
「マリーは、アリッサムっていう町の出身なんだろう?大きな町なのかい?」
「トリアに比べたら、だいぶ小さいです。」
「だとすれば、国と町の名前で、少なくとも町まで届く。その後は、お母さんの名前と自分の名前を書いておけば、おおよそ届くんじゃないかな。たとえ間違って届いても、誰か教えてくれるんじゃないかな。」
「確かに。例えばほかの人に届いても、大体知り合いなので教えて貰えると思います。」
「だから、とりあえず今の情報を書いて出せば大丈夫。」
「この間見た、便箋ってやつ。あれを使ってみたいです。イーリヤにもありますか?」
「ランセまで行けばあるよ。」
「じぁあ、書けるのは1ヶ月後くらいですね。楽しみです。」
「私も、一筆書かせてもらおうかな。基本私は、どの弟子も預かる時に、親に会ってからだったからね。親としては、マリーが頼れる大人と一緒にいることは、とても安心できるからね。」
「はい。ぜひお願いします。」
『今日は、見渡す限り海ね。何もない。』
『やっぱり、船旅の中日は退屈ですね。』
『あんた、なんか面白いことできないの?』
『お、面白いこと??何がいいですか?』
『水の精霊なんだから、水芸。』
『そんな事、言っても、大雑把すぎますよ〜。』
『まあ、なんか綺麗なの見せてよ。』
『綺麗、ですか。じゃあ。』
「綺麗。宝石みたい。」
「すっごい!すごいよ!とっても綺麗だよ!何あれ?どうやったの?」
『私は水の精霊よ、あんなの自分の手足を動かすのと同じ。』
「すごいな。なんだあれ?」
「お母さん、今のもう一回見たい!」
「あんなの見た事ないわ。」
「昨日といい、今日といい。全く今回はどうなってんだか。どうせ今日も、あんたの仕業なんだろ。」
「昨日のジフィアスの件は感謝してる。それに今の芸も、あんたのだろ?乗客達、特に子供は昨日の出来事で参ってた子もいる。今ので多少は気が晴れたはずだ、ありがとうな。だが、驚くから、今度からやる時は、一言声かけてくれ。」
「これは失礼。今後は気をつけますよ。」
「ああ、そうしてくれ。」
「というわけで、ミリ。今後は勝手をやらないように。」
『わかりましたわ。』
「元はと言えば、シェシェが無茶ぶりしたんだから。シェシェも気を付けてね。」
『わるかったよ。今度はバレないように、気をつける。』
「シェシェ?」
『まあまあ、シェシェ様も悪気があった訳じゃありませんから。ね?』
「さて、ではご飯も食べて、休憩もできた。部屋に戻って座学の再開だ。」
こうして、思わぬミリのすごさを知り、私は時間どうしながら部屋へ戻った。
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