踊り子の魔女 第二十六話:新しい仲間
「シェシェのこと見られて、本当に嬉しいよ。」
『私もやっと本当にマリーと喋れてる感じがする。』
「本当に見られてよかった。で、さっきは全然気づかなかったけど、シェシェ、思ってたより大きいね。」
『それは、どういう意味?ほめてるの?けなしてるの?』
「ほめてるとか、けなしてるとかじゃなくて、単純な感想。」
「精霊はさ、みんなシェシェみたいな感じなの?」
『私みたいって、見た目のこと、性格のこと?』
「ああ、見た目のこと。みんなこんなに綺麗なの?」
『私ほどじゃないけど、綺麗だよ。でも、そもそも、精霊は成長につれて、自我が芽生えると、自分の思う形に成長していくの。だから、本人にとって良いと思う形だから、私が評価できるものでもないの。』
「へぇーそうなんだ、すごいね。じゃあさ、もっと、見たことない形とかになったりするってこと?」
『まあ、無いとは言わないけど、基本、成長過程で目にしたものに影響されるから、ほとんど、この世界に存在するものに近い形になる。』
「なるほど、なるほど。面白いね。じゃあ兄弟とかでも見た目が違うの?」
『それも、本人次第。似せたければ似るし。自分のなりたい姿があるならそれになる。』
「へぇ。本当、知れば知るほど、どんどん知りたいことが増えていくね。」
『まあ、焦らなくても、これから時間はたくさんあるし、マリーも精霊士を目指すから、いろんなことに出会えるよ。』
「うん。今日はあのまま特訓が終わっちゃったけど。また明日から、しっかり勉強頑張る。」
『私も協力するから、頑張って。』
「二人とも入っていいかな?」
「どうぞ!」
「二人にちょっと話があってね。」
「先生!その、後ろの、その子は精霊ですよね?!」
「ああ、よかった、見えるようだね。この子はミリ。水の精霊で、私のパートナーだよ。」
「あ、え、もしかして、今まで、私がその子のこと見えてなかったんですか?」
「いいや、会うのは今日が初めてだよ。見えないのにあっても意味ないって、ミリが言ったから、無理に会わせなかったんだよ。でも今日、マリーがシェシェのことを見られるようになったから、試しにつれてきたんだ。」
「そうなんですね。初めまして、マリーです。よろしくお願いします。」
『シンシアが、才能があるって言うし、一緒にいるのがシェシェ様だし。すぐに見えるとは思ってたけど、まさかこんなに早く私のことも見えるようになるなんて。マリーやるじゃない!』
「ありがとうございます。」
『敬語じゃなくていいわよ!私はミリっていうの。よろしくね!』
『相変わらず、無駄に元気ね。』
『もうそんなこと言わないでくださいよ、シェシェ様。』
「あれ、仲悪いの?」
『そうじゃないけど。あんたにその呼び方されるの嫌なの。やめてよね、その呼び方。』
『だって、シェシェ様、シルフの系譜ですよね?』
『......。そうだけど、家族とはもう数百年会ってないし。その呼び方は慣れてないからやめて。』
『ダメです。四大精霊の系譜の方を、呼び捨てにはできません。何を言われても、このままでいきますから。』
『......。はぁ。』
「よしよし、自己紹介も済んだし、本題に移ろう。」
「あ、はい。」
「私も、そろそろ旅を再開しようと思ってて、二、三日のうちに出発したいんだよ。」
「え?先生、ここ先生の家じゃないんですか?」
「ああ、違うよ。ここは一軒家の形の宿だよ。」
「そんなものがあるんですね。」
「そうそう。精霊士は、誰もいないところで、独り言を言っているように見えるから、基本的に一軒家の形の宿を借りてるんだ。」
「ああ。なるほど、確かに。」
「で、だ、マリーは私の弟子になったから、もちろん旅には連れて行こうと思っている。でも、弟子にするときに旅の話をしてなかったから、一応確認をしに来たんだ。」
「はい、もちろんついていきます。もともと、私も旅の途中ですから。むしろ世界を見て回るのが目標なので嬉しいです。」
「それはよかった。じゃあ出発は二日後にしようと思ってるから、明日は旅の準備をしっかりしてほしい。もちろん、マリーはまだ旅に慣れてないから、この先困ったことは助けるから、あんまり気負いすぎなくて大丈夫だからね。」
「はい、ありがとうございます。一応シェシェも、大丈夫だよね?」
『もちろん、私はどこでもマリーについていくよ。』
『シェシェ様、お優しい。』
『うるさい。』
「シェシェ。そんな言い方はちょっと。」
『いいの。躾は大事。』
「あはは、ミリは、シェシェのことがだいぶ好きみたいだね。」
『そりゃあ四大精霊の系譜ですよ?ねえシェシェ様。』
『......。』
「シェシェ。」
『いいの。』
「まあまあ、二人のことは二人で。というわけで、マリー、改めてこれから長い時間を共にする仲間として、よろしくね。」
「はい!よろしくお願いします!」
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