踊り子の魔女 第二十一話:回復
目が覚めると、そこには見たことのない天井があった。
ここどこ?
なんで、私ここにいるの??
一生懸命、自分の記憶をたどる。眉間にはしわを寄せ、息を殺して、必死で思い出す。
なんとなく、なんとなく、思い出してきた。自分が、踊っている途中で倒れたのだ、そのあとの記憶は全くない。ということは......。
「今度こそ、目が覚めたかい?」
突然声を掛けられ、視線を向ける。
そこには妙齢の、きれいな女の人が立っていた。
だれ??
時間が止まった、知らない場所、知らない人、無防備な自分。これは、まずいのではないか。
冷や汗をかきながら思考を巡らせていると、安心する声が耳に入る。
『マリー、具合はどう?元気になった?』
「シェシェ!」
シェシェに抱きつく...ことはできないけど、そこにシェシェがいることを感じると、とてつもない安心感が湧いてきた。
「感動の再会中に悪いけど、あんた、体調はもう大丈夫かい?」
「あ、はい、大丈夫です。はい。」
「よしよし。それなら、今日からしっかりご飯食べて、体力の回復をしっかりするんだよ。」
「え、あ、ありがとうございます。あの、でも、なんでそんなに。」
「なんで助けるかってことね。まあ、それは、もう少し体力が回復して、落ち着いて話ができるようになってからね。」
そういうと、女の人は、さっさと部屋を出て行ってしまった。
本当に、今の状況についていけない。
とりあえず、私はシェシェに、ことの顛末を聞いた。
「つまり、私はあれから三日間眠ってて、その間あの人が世話をしてくれてたってこと?」
『一応、マリーは一回起きたんだけど、覚えてる?』
「ぜんっぜん。」
『だよね。とにかく、完全に信用はできないけど、悪い人間ではなさそう。だから、マリーは自分の体の回復に専念して。』
「うん。ありがとう。」
その後、女の人が、スープとパンを持って部屋に戻ってきた。
私に食べてまた休むように言うと、仕事があるといって部屋を出ていき、その日はもう一度顔を見ることはなかった。
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