踊り子の魔女 第十三話:隣町

 あれから2日。そんなにかからずに、隣の町までこれた。
とはいえ、ここも小さな町だから、私が求めている情報や、精霊についても知ることはできないだろう。
しかし、食料は大事。お金も必要。
だからダンスをしてお金を稼ぐ。そのために、実はシェシェと一緒に、きれいに見えるダンスを練習したのだ。

「よし。シェシェ、準備はいい?」

「いつでも大丈夫。」

シェシェの返事を聞いて、私は目の前に袋を置いた。

「じゃあ、いくよ。せーの。」

手を挙げて、くるっと回る。腕をおろして、もう一度大きく円を描くように両手を上げる。
同時に風が、衣装をなびかせる。シェシェだ。軽やかな生地は、風に舞って大きく揺らめく。
透ける布が、光を通し、まるで草がそよぐようだ。

踊っていると、一人、また一人と足を止めてくれる。
最初は稼げなくてもいいと思った。でも、見てくれる人がいると、やはり嬉しい。

「綺麗ね。」

その一言が聞こえた瞬間、とても嬉しくなった。
頑張って練習してよかった。


ダンスを終えて、お辞儀をする。

チャリン。

心臓が跳ねた。初めて自分で稼いだお金に、重みを感じる。
ほんの少しだが、袋にお金を入れてくれる人がいた。

「とっても綺麗だった、どうやってあんなに服が揺れてたの?」

「初めて見たよ。どこから来たの?」

何人かの人が声をかけてくれた。
旅をしていること。精霊のこと。色々話した。
シェシェは他の人には見えないから、そこにいることは話せない。

「近くに安い宿はありますか?」

「それなら、すぐそこの宿がいい。というか小さい町だからそこしかない。」

「ありがとうございます。」

御礼を言って、すぐに荷物をまとめ、宿へ向かった。
ワクワクと、ドキドキ。同時にものすごい疲労感に襲われる。
足が重く、宿までがすごく遠く感じるほどだった。

「今日はなかなか出来が良かった。」

「そうだね、でももっと良くなる。もっときれいにできるよね。私たち。」

「うん。」

シェシェにほめられながら宿に入る。
その日の料金を払うと、食事も忘れて、私はすぐに眠りについた。

「おやすみシェシェ。」

「おやすみ。マリー。」



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