踊り子の魔女 第六話:図書館
「そういえば。」
そう呟いて私は、昨日の精霊が次にいつ来るのか考えていた。
今度っていつ?本当に来る?そもそもどこから来たの?
「また来るって言ってたけど、今日練習したら、今日来るのかな?それともあっちの都合で来るのか。」
考えても仕方のないことだが、考え始めると気になって仕方なくなった。
ぐるぐる、ぐるぐる、同じことを何度も考えた。
「早く会いたいなぁ。」
気づいたら呟いていた。
窓の外を眺めながら、のんびり朝ごはんを食べていたのに、気づけば思考はフル回転。
気になることがあると、周りが見えなくなってずっとそのことを考える。いいような、悪いような私の癖。
「マリー、今日図書館行くのよね?お母さん先に出るから鍵忘れないでね。」
声を掛けられ、ふと我に返る。
「うん、いってらっしゃい。」
「マリーも気を付けてね。」
「よし、私も出るか。」
紙とペンをカバンに入れ、私は家を後にした。
図書館に着くと私は早速精霊についての本を探した。
魔法書の近くにあるって神父様が言ってたからすぐに見つかると思ったのだが、意外と見つからない。
「あれ?ないなぁ。あるって言ってたのに。」
ぶつぶつ独り言を言いながら探しているところ、声をかけられた。
「何をお探しですか?」
「あ、はい。精霊についての本ってありますか?」
「精霊の本でしたらこちらです。」
そういって司書さんは、本の場所に案内してくれた。
でも、案内されたのはさっきまで探していた場所だ。さっきも探したのに、と思いながらついていく。
「こちらです。」
そういわれ案内された場所をよく見ると、精霊の文字が書かれた本は三冊あった。
「...ありがとうございます。」
「また何かありましたら、声をかけてください。」
そういって、司書さんは軽く会釈をして戻っていった。
「なるほどね、これは見つけられない。実に見つけにくい。」
思ってた以上に本がなくて驚いた。まさかここまでとは。
この町は大きくないけど、でもこんなにないなんて...。
とはいえ、無いものはないので私は三冊全部を手に取ると、机で読み始めた。
『精霊を知る』
この本は薄いから先に読んだけど、昨日神父様に聞いたことが書いてあるくらいで、他には何もない。
『精霊と精霊術』
前半はさっきと同じことだけど、後半は精霊術について書かれてる。精霊との親和性の高い魔術師のことだということはわかった。
そして最後の一冊。分厚くて読みごたえがありそう。これは借りて帰らないとね。
「この本借りられますか?」
私は『精霊の声を聴く深緑の賢者』をそっと受付に置いた。
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